アップセル・クロスセルとは?Upsell / Cross-sell
意味
アップセル・クロスセルとは、既存の顧客からの売上を広げる2つの方法です。アップセルは上位プランや数量の追加、クロスセルは別の製品の追加購入を指します。
アップセルとクロスセルの違いと、ダウンセル・更新との区別
アップセルは同じ製品の中で「上」を、クロスセルは「隣」を買ってもらうことです。SaaS なら、上位プランへの切り替えやアカウント(席)の追加がアップセルです。 いま使っている製品とは別の製品やオプションを合わせて買ってもらうのが、クロスセルです。
どちらも新しい顧客を探さずに売上を増やせます。 ただ、先方にとっては新しい購買の判断で、予算と決裁の手続きが要ります。 既存の顧客だから簡単に決まる、とは考えません。
| 言葉 | 何が動くか | SaaS での例 |
|---|---|---|
| アップセル | 同じ製品の単価や数量が増える | 上位プランへの切り替え、席の追加 |
| クロスセル | 買う製品の種類が増える | 別の製品、追加のオプション、有償の導入支援 |
| ダウンセル | 同じ製品の単価や数量が減る | 下位プランへの切り替え、席の削減。解約を避けるための提案も含む |
| 更新 | 契約の期間が延びる。金額は変わらないこともある | 期間満了での継続 |
| 値上げ(価格改定) | 買う内容は同じまま、単価が上がる | 更新のときの改定率の適用 |
値上げをアップセルに数えるかは、会社によって分かれます。 先方が買う内容は変わらないので、分けて数えるほうが、提案の成果と価格の判断を別々に振り返れます。 アップセルとクロスセルで増えた金額は、NRR(売上の純維持率)の中で、解約や減額と相殺されます。
アップセル・クロスセルの進め方と、数字を読むときの注意
提案の時期は先方の成果と予算の時期で決め、拡大の数字は値上げを分けて解約と並べます。
提案の時期と、担当を先に決める
提案の時期は、自社の売上目標ではなく先方の状態から決めます。 見るのは、導入の目的が果たされたかと、次年度の予算を組む時期の2つです。 成果が出る前の提案は、値上げと同じように受け取られます。
誰が提案するかも先に決めます。カスタマーサクセスが持つか、フィールドセールスが新しい商談として持つかです。 決めないと、両方が追うか、どちらも追いません。 部門の境目での持ち方はThe Modelの課題と対策で扱っています。
席の追加のように先方に別の判断が要る増額は、更新とは別の案件にしてパイプラインに載せます。 1つの案件に混ぜると、増額の交渉が止まっただけで、更新まで危ないように見えます。
拡大の数字は、値上げを分け、解約と並べて読む
例値上げを混ぜると、提案の成果が大きく見える
期首の年額の合計が1,000万円の顧客群で、1年の間に次の動きがあったとします。 解約100万円、ダウンセル50万円、値上げ80万円、アップセル60万円、クロスセル40万円です。
値上げを含めた拡大は180万円で、全体は1,030万円に増えています。 しかし提案で増やしたのは100万円で、解約と減額の150万円(期首の15%)を埋めきれていません。 拡大の合計だけを報告すると、提案の不足にも、解約の増加にも気づけません。
数値は説明のための架空のものです。
拡大の金額は、増額を除いた維持の数字と並べて報告します。 増額を含む維持率と含まない維持率の出し方は、SaaSの更新管理にまとめています。