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着地見込みの変化分析とは?先週との差を6つの理由に分解し、会議の論点を決める方法

着地見込みの変化は、先週との差を新規・増額・減額・後ろ倒し・受注・失注とその他の動きに分け、内訳の合計を差と一致させて読みます。判定の順序と計算例を使えば、次の会議で話す案件が数字から決まります。

RevenueScale 編集部公開 7分で読めます

着地見込みの変化分析とは:先週との差を理由ごとに分ける「ブリッジ」

着地見込みの変化分析とは、先週と今週の予測の差を案件ごとの動きの理由で分け、内訳の合計が差と一致するように並べることです。英語ではフォーキャストのブリッジやウォーターフォールと呼ばれます。 先週の数字から今週の数字まで、増減を1段ずつ積んでつなぐ見せ方です。

分解するのは、今期のコミットの合計です。 着地見込みは、受注済みにコミットを足した数字(着地の下限)で表します。 コミットに入れる条件はフォーキャストカテゴリの決め方にそろえます。

案件の寄与 = 今期のコミットに数えている金額

進行中で、想定クローズ日が今期に入り、区分がコミットなら金額。それ以外はすべて0

案件の増減 = 今週の寄与 − 先週の寄与

金額の差ではなく寄与の差で数える。全件を足すと、合計の差と必ず一致する

1本の差では、会議の論点が決まらない

「コミットが前週比で500万円減った」だけでは、打ち手が決まりません。同じ500万円でも、中身で読み方が正反対になります。

  • 失注が500万円:予測が外れた週。先週コミットにした根拠を問う。
  • 受注が1,000万円、新規が500万円:良い週。受注済みへ移っただけ。
  • 後ろ倒しが2,000万円、区分の格上げが1,500万円:差は小さいが、今期の中身が大きく入れ替わった週。いちばん危ない。

判定の順序:戻らない事実から先に当てはめ、1件を1つの区分に入れる

1件の案件は1つの区分にだけ入れ、確定した事実から順に当てはめます。金額と日付と区分が同時に動く案件は珍しくありません。 順序を担当者の解釈に任せると、同じ動きでも週ごとに振り分けが変わります。

上から順に当てはめ、最初に当たった区分に入れる
区分(判定の順)条件寄与の増減この位置に置く理由
1. 新規先週の記録に無い今週、期内のコミットなら+金額。それ以外は0比べる相手が無く、ほかの判定ができない
2. 受注・失注今週、受注または失注になった−先週の寄与もう戻らない事実。受注もコミットからは抜けるが、減額とは意味が正反対なので分ける
3. 後ろ倒し先週は期内、今週は期末より後ろか日付なし−先週の寄与同時に金額が増えても、起きたことは「今期から消えた」
4. 増額・減額金額か区分が上がった/下がった今週と先週の寄与の差今期に残ったままの調整。金額なら見積の根拠、区分なら新しく取れた事実を聞く
5. その他の動き上のどれでもないが、寄与が動いた(翌期からの前倒しなど)今週と先週の寄与の差消さずに1行で出すと、内訳の合計が差と一致する

考え方は1つです。戻らない事実を先に見て、今期の中での調整を最後に見ます。 こうすると「増額の行がマイナス」のような、名前と数字が食い違う行が出にくくなります。

新規は件数と金額を分けて見ます。ベストケース以下で作られた案件は、件数だけが増えます。

計算例:コミットが1,200万円減った週を、内訳の合計で差と一致させる

内訳を足して差と一致すれば、会議の論点はその内訳から決まります。7月から9月の四半期で、9月15日と9月22日の記録を比べます。

例コミット4,200万円 → 3,000万円の週を分解する

案件ごとに判定すると次のとおりです。動かなかった案件(コミット400万円)は省きます。

  • 新規 +300万円:H社がコミット300万円で作られた。
  • 増額 +800万円:I社がベストケースからコミットへ(600万円)。J社が500万円から700万円へ。
  • 減額 −550万円:K社が800万円から650万円へ。L社がコミットからベストケースへ(400万円)。
  • 後ろ倒し −900万円:M社の日付が9月30日から10月15日へ。金額は900万円から1,000万円に上がった。
  • 受注 −700万円:N社。失注 −500万円:O社。
  • その他の動き +350万円:P社の日付が10月9日から9月29日へ前倒しになった。

4,200 + 300 + 800 − 550 − 900 − 700 − 500 + 350 = 3,000(万円)

内訳の合計(−1,200万円)が、コミットの差と一致する

受注済みは1,800万円から2,500万円に増えました。 着地見込み(受注済み+コミット)では6,000万円から5,500万円へ、減ったのは500万円です。 会議では、悪い知らせのM社・O社・L社(計1,800万円)を先に扱い、上に動いたH社・I社・P社の根拠を確かめます。

数値は説明のための架空のものです。

順序を変えると、いちばん大きな事実が消える

仮に、増額を後ろ倒しより先に判定したとします。金額が上がったM社は増額に入ります。 増額の行は+800万円と−900万円が混ざって−100万円になり、後ろ倒しは0件になります。 今期から900万円が消えたという、この週でいちばん大きな事実が表から見えなくなります。

差と並べて、受注を除く内訳を符号を外して足した「動いた量」も見ます。この例では3,400万円で、先週のコミットの8割です。 例えば「3割を超えた週は、差が小さくても動いた案件を全件確かめる」と線を決めておきます。

よくある失敗:差だけで読む、後ろ倒しを責める、過去の記録を直す

変化の分析は、式よりも読み方と運用で崩れます。起きやすい3つを、理由と直し方で並べます。

変化の分析でよくある失敗と直し方
失敗なぜ起きるか直し方
差の1本だけで、良い週か悪い週かを決めるコミットは受注でも減る。後ろ倒しと格上げが打ち消し合うと、中身が入れ替わった週も「微減」に見える受注済みを横に並べて着地見込みで話し、内訳の各行を見る
後ろ倒しを報告した担当者を責める担当者が日付を動かさず、期末まで持つようになる。最後の週に後ろ倒しがまとめて出て、打つ手が残らない責めるのは根拠の無い日付のほう。早い報告は評価し、2回目以降の後ろ倒しは日付の根拠を記録で確かめる
先週の記録を後から直す。「その他」を消す分解の起点や内訳が動き、合計が差と合わなくなる。数え漏れに気づく検算も効かなくなる訂正も今週の増額・減額として出し「入力ミスの訂正」と添える。その他の動きは1行で残す

内訳から会議の議題を選ぶ順番と、案件に投げる問いは、営業会議の進め方で扱っています。

明日から始めること:定義を1枚にし、2週目の会議から分解で話す

最初の週は比べる記録が無いので、定義を決めて記録を始め、2週目の会議から分解した内訳で話します。次の5つがそろえば、表計算でも回り始めます。

  • コミット・着地見込み(受注済み+コミット)・寄与の定義を1枚に書き、合計の式と内訳の式で同じ定義を使った
  • 判定の順序(新規→受注・失注→後ろ倒し→増額・減額→その他の動き)を配った
  • 比べる相手を「1週間前にいちばん近い記録」に決め、会議の日がずれても変えないと決めた
  • 表計算なら、案件ごとに変わらない番号を振り、毎週同じ曜日にシートを値だけで複製して編集できないよう保護した
  • 会議の最初の1分で、内訳の合計が差と一致するかを確かめる手順にした

経営への報告は、内訳から4文で書く

1文目で水準、2文目で受注の扱い、3文目で減った主因、4文目で補った動きを書きます。計算例の週なら次のとおりです。

今週の着地見込みは5,500万円で、先週から500万円減りました。 コミットは1,200万円減りましたが、うち700万円は受注によるものです。 主な減少はM社の後ろ倒し(900万円)とO社の失注(500万円)です。 新規と区分の格上げで、900万円を補っています。

加重予測との使い分けなど、予測全体の組み立ては営業フォーキャストの記事で扱っています。

よくある質問

フォーキャストのウォーターフォール(ブリッジ)とは何ですか?
先週の予測から今週の予測までの差を、新規・増額・減額・後ろ倒し・受注・失注などの理由ごとに積み上げて示す形です。内訳の合計が差と一致するように作ると、会議で話す案件が数字から決まります。
受注したのに、コミットが減るのはなぜですか?
受注した案件は、予測(コミット)から実績(受注済み)へ移るためです。コミットの内訳では受注はマイナスに出ますが、受注済み+コミットで見た着地見込みは、その分では動きません。
着地見込みの変化は、前日比で見てはいけませんか?
担当者が自分の入力を確かめるには使えます。ただ案件は先方の会議や稟議など週の単位で動くため、1日の差では傾向を読めません。週次の会議では、1週間前にいちばん近い記録と比べます。