営業管理とは?リスト・行動・案件・予測・受注後の5つを同じ定義で記録し、毎週の判断に使う仕組み
営業管理とは、営業リスト・行動・案件・予測・受注後の5つを同じ定義で記録し、毎週の判断に使う仕組みです。この記事の対象ごとの表と週次の手順で、何をどこまで管理するかを1枚に決められます。
営業管理とは:5つの対象を同じ定義で記録し、毎週の判断に使う仕組み
営業管理とは、営業リスト・行動・案件・予測・受注後の5つを同じ定義で記録し、毎週の判断に使う仕組みのことです。担当者を見張ることでも、日報を集めることでもありません。 目標に届くかを早く知り、どこに手を打つかを決めるためにあります。
仕組みは3つの要素でできています。どれか1つが欠けると、数字はあっても判断に使えません。
- 定義:ステージ・予測区分・「話せた」などの言葉を、人によって揺れない条件で決める。
- 記録:その日のうちに入れ、上書きで先週の状態を消さない。
- 判断:決まった曜日に締め、先週との差から、話す案件と打つ手を決める。
記録する道具がSFAやCRMで、営業管理はその使い方まで含めた仕組みです。 道具を入れても、定義と判断の場が無ければ営業管理にはなりません。
行動管理・案件管理との違い
行動管理は架電や訪問の量を、案件管理は1件ずつの進み具合を見ます。 営業管理はこの2つに予測と受注後をつなぎ、目標までの距離として読みます。
行動が足りているのに案件が増えないなら、問題はリストか会話にあります。 案件はあるのに予測が届かないなら、進め方か見込みの置き方にあります。 つないで見るから、手を打つ場所が決まります。
管理する5つの対象:記録することと、毎週見る数字を1〜2個に絞る
5つの対象ごとに、記録することと毎週見る数字を決め、数字は会議で使うものだけに絞ります。見ない数字のための入力は、真っ先に止まります。
| 対象 | 記録すること | 毎週見る数字 | 詳しく |
|---|---|---|---|
| 営業リスト | 会社・連絡先・アプローチの手段と結果 | 未接触の社数と、アポ・資料送付になった社数 | 営業リストの管理 |
| 行動 | 架電・話せた・アポの数 | 目標から逆算した必要架電数との差 | 必要架電数の逆算 |
| 案件 | ステージ・金額・想定クローズ日・次にやること | 同じステージに長い案件と、次にやることが無い案件 | パイプラインの指標 |
| 予測 | 予測区分(コミット・ベストケースなど) | コミットの額と、先週から動いた理由 | 営業フォーキャスト |
| 受注後 | 契約・更新日・請求 | 更新が近いのに、更新の案件が無い契約 | SaaSの更新管理 |
見る数字を選ぶ基準は、その数字が動いたときに、誰が何をするかを1文で書けるかです。 書けない数字は、表に出していても判断に使われていません。
5つは流れでつながっています。リストへの架電がアポになり、アポが案件になり、案件の予測区分が着地の見込みになります。 受注した案件は契約になり、更新の時期にまた案件として戻ってきます。
つなぎ目の記録を落とさないことが、数字を説明できるかを決めます。インサイドセールスがアポを取ってFSに渡すときは、 アポを取った人と商談する人の両方を案件に残します(トスアップの設計)。
週次の回し方:毎日記録し、決まった時刻に締めて、先週との差で会議をする
営業管理は、毎日の記録・週1回の締め・差を読む会議の3つを、決まった曜日と時刻で回します。曜日が決まっていないと、数字は会議の直前にだけそろいます。
毎日:その日のうちに記録する
アプローチの結果と、案件の次にやること(日付と内容)を入れます。次にやることは1案件に1つにし、済んだら次を決めます。締め(例:月曜の正午):抜けを直す
次にやることが無い案件、期限を過ぎた案件、想定クローズ日を過ぎた案件を、担当者が自分で直します。会議は締めた後の値だけで行います。差を読む:先週からの変化を理由に分ける
コミットの額が先週からなぜ動いたかを、新規・増額・減額・後ろ倒し・受注・失注に分けます。 分け方と計算例は着地見込みの変化分析で扱っています。会議:差の大きい案件と、止まっている案件だけを話す
全件を読み上げず、差を生んだ案件と、同じステージに長い案件だけを扱います。 進め方はパイプラインレビュー会議にまとめています。月に1回:行動と受注後を見直す
行動の実績を必要架電数と並べ、想定した率が実績とずれていないかを見ます。あわせて、90日以内に更新が来る契約に更新の案件があるかを確かめます。
役割を分ける
- 担当者:毎日の記録と、締めまでの抜けの直し。
- チームリーダー:締めた値で差を読み、会議で扱う案件を前日までに決める。
- 管理者:ステージ・予測区分の定義と、ステージを進める条件を持ち、四半期ごとに見直す。
締めを守れれば、会議の時間を差の説明と打ち手に使えます。 集計と催促に使っていた時間は、締めの仕組みで減らします。
よくある失敗:項目を増やす、行動だけを数える、先週の状態を上書きする
営業管理が形だけになるのは、記録する量を増やし、判断に使う場を作らないときです。よくある3つと、その直し方です。
| 失敗 | なぜ起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 入力項目を増やし続ける | 会議で使わない項目は埋まらず、空欄が「該当なし」か「未入力」か分からなくなる | 項目ごとに使う会議と判断を書き、書けない項目は外す。必須にするのはステージを進めるときだけにする |
| 行動の量だけを数える | 架電数は増えても、どの段で落ちているかが見えず、量を増やす指示しか出せない | 架電→話せた→アポを段ごとに並べ、落ちている段から直す(リスト・時間帯・会話のどれか) |
| 先週の状態を上書きする | 今の値だけを持つ表では、コミットが動いた理由を担当者の記憶で説明することになる | 毎週の値を写して残すか、記録が自動で残る道具に移す。判断の基準はエクセルの限界で |
ツールの選び方と始め方:定義を先に書き、道具は守らせ方と残し方で選ぶ
道具は機能の数ではなく、決めた定義を画面で守らせられるかと、先週の状態を残せるかで選びます。定義が固まる前なら、表計算で試すほうが向いています。
移る日は期の途中ではなく次の期初に置き、移すのは進行中の案件と、紐づく企業・人物だけにします。 期の途中で移すと、先週との差が道具の切り替えで途切れます。
比べるときは自社の案件1件を使い、ステージを進める・予測区分を変える・先週と比べるの3つを、デモで操作してもらいます。 比べる観点とデモで確かめる質問は、SFAの選び方にまとめています。
- 5つの対象のうち、いま記録していないものと、記録しても使っていないものに印を付けた
- ステージ・予測区分・「話せた」の定義を、条件の文で1枚に書いた
- 対象ごとに毎週見る数字を1〜2個に決め、使う会議を書いた
- 締めの曜日と時刻、会議で扱う案件の条件を決めた
- 道具を比べるなら、自社の案件1件で再現してもらう場面を3つ書いた
よくある質問
営業管理と行動管理の違いは何ですか?
営業管理はエクセルでもできますか?
営業管理で最初に決めることは何ですか?
関わる機能
- 営業リスト・架電の記録CSV で取り込んだ企業に、架電の結果をその場で記録。リストごとの接触・NG・アポの数が自動で出ます。
- 行動量の管理架電 → 話せた → アポを担当者ごとに数え、アポの目標から逆算した必要な数と並べます。
- 案件管理・ステージを進める条件案件ボードとステージを進める条件で、なし崩しを防ぐ。守れないときはチームリーダーか管理者が1回だけ例外を承認します。
- フォーキャスト・ヨミ管理予測を毎日自動で記録し、先週からの変化を理由ごとに分解。目標との差も同じ画面で見られます。
- 受注後:契約・導入・更新・請求受注した案件から契約を作り、導入の工程、更新の商談、適格請求書の発行まで同じ流れで追います。