本文へ移動

営業リストの管理とは?台帳・履歴・案件を分け、重複と連絡の漏れを防ぐ作り方

営業リストの管理は、企業の台帳・アプローチの履歴・案件をリストと分けて持ち、重複を取り込みの時点で照合すると崩れません。この記事の判定表と計算例で、1社の経緯を重複なく追える作りを組めます。

RevenueScale 編集部公開 6分で読めます

営業リストの管理とは:リストと台帳・履歴・案件を分けて持つこと

営業リストの管理とは、リストを企業の台帳・アプローチの履歴・案件と分けて持ち、1社の経緯を重複なく追える状態に保つことです。リストそのものは「いま、この切り口で当たる会社の束」にすぎません。

  • 営業リスト:切り口と期間を持つ会社の束。1行はリストに載せた会社1社。期間が終わったら閉じて振り返る。
  • 企業の台帳:社名・サイト・属性など会社そのものの情報。1行は会社1社。会社の情報を直すのはここだけにする。
  • アプローチの履歴:誰が、いつ、どの手段で当たり、どうなったか。1行はアプローチ1回で、追記だけにする。「最新の結果」や「架電回数」は列に持たず、履歴から毎回出す。
  • 案件:受注に向けて進む商談。1行は商談1つ。受注・失注・保留で閉じる。

1枚の表計算に4つを詰めると、1行が何を表すのかが揺れます。 同じ会社が2つのリストに載れば会社の行が2つになり、アプローチを重ねれば結果のセルを上書きするしかありません。 単位の違うものは表を分け、会社を特定する鍵で結びます。

リストと案件の境目は、アポ獲得(商談の日時が決まった状態)に置きます。 「資料を送った」「感触が良い」は履歴で追います。 アポの前の見込みを案件に入れるとパイプラインが膨らみ、着地が読めなくなります。

案件にするときは、それまでの履歴ごとインサイドセールスから商談するフィールドセールスへ渡します。 引き継ぐ項目とアポを取った人の成果の残し方は、トスアップの設計で扱っています。

重複の判定基準:法人番号・ドメイン・会社名の順に、強い鍵から照合する

重複は会社を特定する力の強い鍵から順に照合し、会社名だけの一致は自動でまとめずに人が確かめます。弱い鍵で先に一致させると、別の会社を同じ会社として扱ってしまいます。

判定は取り込みの時点で済ませます。 名寄せ(同じ会社の行を1つにまとめる作業)を後に回すと、その間に同じ会社へ2人が連絡します。

重複を判定する鍵の強さと、一致したときの扱い
鍵強さと、誤る場面一致したときの扱い
法人番号最も強い。法人ごとに1つの13桁の番号。手元のリストに入っていないことが多い新しく作らず、台帳の会社に紐づける
サイトのドメイン強い。グループ会社が同じドメインを使うことがある。サイトの無い会社には使えないURLからドメインだけを取り出し、www. を外してそろえてから紐づける
会社名弱い。表記の揺れ、同じ名前の別会社、社名の変更で誤る正規化してから照合し、一致しても確認に回す
メールアドレス・電話番号会社ではなく人の鍵。異動や退職で変わるアプローチ禁止の一覧と照合し、一致した行は取り込まない

会社名の正規化では、法人格の表記(株式会社・(株)など)を外し、全角と半角をそろえます。 それでも同じ名前の別会社は残るので、会社名だけの一致は確認待ちにします。 台帳に人が入れた値と食い違ったときは上書きせず、空欄だけを埋めます。

取り込みの例:1,850行の購入リストのうち、260行は既存の会社だった

取り込みの結果を内訳に分けて元の行数と突き合わせると、黙って落ちた行と、すでに接点のある会社が見えます。上の順番で照合した場合の数字で確かめます。

例1,850行の購入リストを、台帳と照合して取り込む

購入したリスト1,850行を、台帳とアプローチ禁止の一覧に照合したとします。

  • 追加(新しい会社):1,480行
  • 追加(既存の会社に紐づけ):260行。ドメインが台帳の会社と一致した
  • 確認待ち:50行。会社名だけが台帳と一致した
  • 見送り(ファイルの中の重複):42行
  • 見送り(アプローチ禁止):6行
  • エラー:12行。会社名の空欄、URLの書き方の誤りなど

合計は1,480+260+50+42+6+12=1,850行で、元の行数と一致します。 注目すべきは既存の会社に紐づいた260行で、リストの約14%はすでに誰かが接点を持った会社でした。 この260社は新規のトークではなく、前回の経緯を読んでからかけるよう、リストを渡すときに伝えます。

数値は説明のための架空のものです。

元の行数 = 追加 + 確認待ち + 見送り + エラー

合わなければ、どこかで行が黙って落ちている。貼り付けの範囲や、道具の件数の上限を疑う

既存の会社の割合は、リストを閉じるときの振り返りにも使います。 出どころ(展示会・購入した名簿・過去の問い合わせ)ごとに、アポと案件化の数と並べます。 次にどのリストへ時間を使うかを、感覚ではなく数字で決められます。

よくある失敗:担当者ごとのリスト、結果の上書きなど3つ

リストの管理が崩れる原因は、たいてい表の作りではなく、正本・履歴・期間の扱いに約束が無いことです。よくある3つと、その直し方です。

営業リストの管理でよくある失敗と直し方
失敗なぜ起きるか直し方
担当者ごとに自分のリストを持つ自分のファイルなら自由に書けるので、同じ会社が複数のファイルに入る。異動や退職で履歴ごと消える正本を1つにし、担当者は自分の担当分を絞り込んで見る
結果の列を最新の値で上書きする1社1行の表では上書きするしかなく、再アプローチの時期や断りの理由が消える結果は選択肢で持ち、1回1行で履歴に追記する。最新の結果は履歴から出す
リストを閉じずに足し続ける切り口と期間が無いので終わりが決まらず、同じ会社に何度もかけ、どのリストが効いたかも分からないリストに切り口・期間・見切りの線を持たせ、期間が来たら閉じて振り返る

結果の選択肢は、不在・担当者不明・断り・再アプローチ・アポ獲得のように決め、迷う結果の振り分けを1文で配ります。 例えば「受付で断られたら担当者不明」と決めれば、断りは担当者と話せたものだけになります。 手段も分けて残すと、架電のファネルを架電だけで数えられます。

「今は不要」の断りと「今後は連絡しないで」の禁止は、別に持ちます。 禁止にする言葉の基準と、登録・解除の決まりはアプローチ禁止リストの作り方で扱っています。

明日から始めること:4つを分け、鍵と照合の順番を決める

最初に直すのは表の見た目ではなく行の単位なので、4つを分け、会社を特定する鍵を決めるところから始めます。次の5つを確かめます。

  • 営業リスト・企業の台帳・アプローチの履歴・案件を、別の表として持つと決めた
  • リストの名前に切り口と期間を入れ、「曜日と時間帯を変えて3回かけ、話せなければ終了」のような見切りの線を決めた
  • 重複を法人番号・ドメイン・会社名の順に照合し、会社名だけの一致は確認に回すと決めた
  • 取り込みのたびに、元の行数と内訳の合計を突き合わせると決めた
  • 断りとアプローチ禁止を分け、禁止を組織で1か所に持った

表計算から移る目安は、件数より出来事で決めます。 同じ会社に別々の担当者が連絡していた、禁止の相手に連絡しかけた、異動で履歴を引き継げなかった。 どれかが一度でも起きたら、人の注意で防ぐ段階は過ぎています。

よくある質問

営業リストはスプレッドシートで管理しても大丈夫ですか?
担当者が少なく、リストが1本のうちは回ります。同じ会社に別々の担当者が連絡した、禁止の相手に連絡しかけた、といったことが一度でも起きたら、照合と履歴を仕組みで持つ段階です。
営業リストの重複は、何で判定すればよいですか?
会社を特定する力の強い順に、法人番号、サイトのドメイン、会社名で照合します。会社名は表記の揺れや同じ名前の別会社があるので、正規化してから照合し、会社名だけの一致は人が確かめます。
購入した営業リストは、そのまま使ってよいですか?
そのままは使いません。台帳とアプローチ禁止の一覧に照合し、既存の会社に紐づいた行は前回の経緯を読んでから連絡します。連絡先の取得元と使ってよい範囲は購入元に確かめ、扱いは専門家に確認してください。