SPICEDとは?SPICED
意味
SPICEDとは、Situation(状況)・Pain(課題)・Impact(影響)・Critical Event(期限となる出来事)・Decision(決定)の頭文字をとった営業の型です。
SPICEDの5つの要素と、BANT・MEDDICCとの違い
SPICED は、顧客の課題と、それを解決する理由と期限を、顧客の言葉で組み立てる型です。要素は次の5つです。
| 要素 | 意味 | 確かめる質問の例 |
|---|---|---|
| Situation(状況) | 顧客の現状の事実。体制・仕組み・数字 | 「その業務は、いま何人で、どの仕組みで回していますか」 |
| Pain(課題) | 現状のどこで困っているか | 「いちばん困っているのは、どの場面ですか」 |
| Impact(影響) | 解決したとき、または放置したときに動くもの。数字で表せる影響と、組織や人への影響 | 「このままだと、半年後に何が起きますか」 |
| Critical Event(期限となる出来事) | 過ぎると顧客に不利益が出る、日付の決まった出来事 | 「その時期でないといけない理由は何ですか」 |
| Decision(決定) | 誰が、何を基準に、どの手順で決めるか | 「前回、同じくらいの金額のものは、どう決まりましたか」 |
BANT は、この相手に商談の時間を使うかを短く判定する型です。 SPICED は、課題と影響から「なぜ買うのか、なぜ今なのか」を組み立てる点が違います。 MEDDICC は受注の根拠を要素ごとに確かめる型で、決裁者と推進者を独立した要素として持ちます。 SPICED は決裁者を Decision の中で扱い、推進者の要素は持ちません。
そのため稟議で決まる組織では、Decision を分けて記録します。エコノミックバイヤーが誰か、承認の段と日程はどうか、 社内で動くチャンピオンはいるか、の3つです。
SPICEDの使い方と、期限となる出来事を読み違えないための注意
実務で差がつくのは、Impact と Critical Event の2つです。どちらも、売り手の試算や希望ではなく、先方の言葉と事実で書きます。
Critical Event は「導入の希望時期」とは違います。 「4月から使いたい」は希望で、過ぎても先方は困りません。 期限となる出来事は、過ぎると先方に不利益が出る日付です。 例えば法令の施行日、今の契約の満了日、新しい拠点の稼働日です。 日本では、先方の予算編成の締め日がこれに当たることもあります。
例希望の時期と、期限となる出来事を分ける
先方は「10月から使いたい」と言います。 理由を聞くと、今のツールの契約が9月末で満了すると分かりました。それまでに乗り換えないと、さらに1年の契約が続きます。
Critical Event は「9月末の契約満了」です。 稟議と契約の手続きに合わせて5週間かかるなら、稟議の提出は8月の最終週が期限です。 想定クローズ日は9月末より前に置き、そこから次のアクションを逆算します。
数値は説明のための架空のものです。
段で分けて使うと回しやすくなります。 インサイドセールスは、状況・課題・期限となる出来事の仮説を聞いて引き継ぎます。 商談を担う営業が、影響と決定を深めます。 引き継ぎの項目はトスアップの設計、 受注の根拠の確かめ方はMEDDICCの解説で扱っています。