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決裁者の見つけ方:「決める人・通す人・使う人」を分け、推進者と決裁の道筋を描く

決裁者は、役職から当てるのではなく、決まり方を聞いて推進者と道筋を描くと見つかります。この記事で、5つの役割の見分け方、聞き方の文例、会えないときの判断が分かります。

RevenueScale 編集部公開 6分で読めます

決裁者の見つけ方とは:「決める人・通す人・使う人」に分けて探すこと

決裁者の見つけ方とは、先方の決裁を「決める人・通す人・使う人」に分け、発注までの道筋として確かめることです。日本企業では、1人に会えば決まる形は多くありません。稟議で複数の部門が承認し、最後に金額に応じた役職が決めます。

使う人の納得 → 通す人の起案と合議 → 決める人の承認

どこか1か所で止まれば、発注はされません。3つの役を誰が担うかを確かめます。
  • 決める人:その金額について最後に承認し、否と言える人。エコノミックバイヤーとも呼びます。
  • 通す人:稟議を起案し、関係する部門に話を通す人。ここが推進者になると案件は進みます。
  • 使う人:導入後に毎日使う現場。納得していないと、起案の段で止まります。

肩書がいちばん上の人が、決裁者とは限らない

決める人は、金額の区切りで変わります。見積が区切りを越えると、承認の段が1つ増えます。 役員の決裁でも、実質の判断を起案する部長に任せていることがあります。 逆に部長決裁の金額で役員へ会いに行くと、部長の頭越しになり、起案が止まることがあります。

キーパーソンという言葉は、決裁者を指すことも、推進者を指すこともあります。 言葉のまま記録せず、次の節の5つの役割に分けると、チームの見立てがそろいます。

決裁に関わる5つの役割:役職ではなく、先方の事実で見分ける

役割は役職から推測せず、先方の説明や行動という事実を確かめてから付けます。推測で「決裁者」と書くと、確かめた場合と記録の見た目が同じになります。 マネージャーが案件を点検しても、どちらなのか見抜けません。

決裁に関わる5つの役割と、付けてよい事実
役割先方での典型付けてよい事実見誤りやすい点
決裁者金額に応じた承認者(部門長・役員・会議体)「この金額は〇〇の承認」と先方から手続きの説明を受けた肩書の高さだけで決める
推進者稟議を起案し、社内を動かす人資料を社内に回す、会議を設けるなど、自分の時間を使って動いた好意的なだけの人を推進者にする
実務担当現場で使う人、窓口業務の課題や要件を具体的に話した窓口の返事を会社の意思とみなす
影響者情報システム・法務・経理など合議の部門稟議の合議や確認に加わると分かった後半で出てきて差し戻す
反対者現状維持を望む人、別の投資を推す人懸念や反対を口にした、または推進者から聞いた見ないふりをして放置する

とくに見誤りやすいのは推進者(チャンピオン)です。 返事が早く感じの良い人でも、社内で動いていなければ実務担当です。 推進者かどうかは、頼みごとをして動いたかで判定します。

反対者は、見つけた時点で価値があります。誰が何を懸念しているかが分かれば、稟議の前に手を打てるからです。

決裁者の聞き方と、推進者に紹介してもらう4つの手順

決裁者には、手続きを聞いて推進者と道筋を描き、会う理由を作ってから会いに行きます。「決裁権はお持ちですか」とは聞きません。 相手の立場を問う質問に聞こえ、稟議で決まる組織では答えにくいからです。

  1. 人ではなく、手続きを聞く

    「前回、同じくらいの金額のサービスを入れたとき、どなたの承認で、どの順に進みましたか」。前回の実例を聞くと、承認の段が具体的に出てきます。見積の前には「この金額だと、最終的にどなたのご承認になりますか」も聞きます。

  2. 推進者になれる人か確かめる

    「社内でご説明いただくとき、どなたが懸念を持たれそうですか」と聞きます。次に、社内向け資料の回覧のような小さな頼みごとをします。実際に動いてくれた人が推進者です。

  3. 決裁の道筋を1枚に描く

    「稟議はどの部門をどの順で回り、決裁の会議はいつですか」と聞き、段ごとの担当と日程を1枚にします。同じ1枚を推進者と持ち、空いている段を一緒に埋めます。

  4. 会う理由を作り、推進者から紹介してもらう

    推進者にはこう頼みます。「稟議を通すために、〇〇様が重く見る点を直接伺いたいです。導入効果の試算を15分で確かめる場をいただけませんか」。推進者に同席してもらい、推進者の手柄になる形にします。

ほかの要素(予算・判断の基準・課題)を聞く問いは、MEDDICC の使い方にまとめています。

決裁者に会えないときの判断と、よくある3つの失敗

決裁者に会えないうちは案件をコミットに上げず、会えない理由で次の手を分けます。予測区分の基準では、コミットには決裁者本人から導入の意思を聞いたことが要ります。 推進者経由で提案が届いたと確かめただけなら、ほかの事実がそろっていてもベストケースまでです。

  • 推進者が必要を感じていない:会う理由が弱いだけです。費用や人員の計画など、決裁者が重く見る点に合わせて理由を作り直します。
  • 推進者が会わせられない、会わせたがらない:その人は推進者ではないか、社内で優先度の低い案件です。別の推進者を探します。

次の決裁の会議や予算編成の時期を過ぎても届かないなら、失注にして理由を残します。 保留にするのは、再開の時期か条件を先方から聞けたときだけです。 「決裁者に届かなかった」がたまれば、最初に接点を持つ部門や役職を見直す材料になります。

決裁者の見つけ方で、よくある失敗と直し方
失敗なぜ起きるか直し方
会えた人の中で、いちばん上の役職を決裁者にする探す手間を省き、会えた人で欄を埋めたくなる先方の手続きの説明で確かめるまで、決裁者の役割を付けない
推進者を飛ばして、決裁者へ直接アプローチする早く会いたい焦りと、推進者に頼む遠慮推進者の了承と同席で会う。飛ばすと社内の味方を失う
合議の部門(情報システム・法務など)を後回しにする決める人と通す人だけを見て、道筋を描いていない道筋の1枚に合議の段を入れ、確認の項目と日数を先に聞く

明日から始めること:口頭合意に近い案件から、決裁の道筋を点検する

まず口頭合意に近い案件から、決裁者と推進者を事実で言えるかを1件ずつ点検します。全件を一度に直す必要はありません。着地に効く案件から始めると、次の会議で差が出ます。

  • 各案件で「決める人・通す人・使う人」が誰かを書き出す。分からない欄は推測で埋めない
  • 決裁者の役割は、先方の手続きの説明で確かめた人にだけ付ける
  • 推進者は、頼みごとをして動いた事実がある人に限る
  • 次の商談で「前回はどなたの承認で、どう決まりましたか」を聞く
  • 決裁者に会えていない案件は、会う理由と紹介の依頼を次のアクションに置く

役割も分けます。道筋の1枚を作って推進者と埋めるのは営業担当者です。 会えていない案件を週次で並べ、会う理由と期限を問うのはマネージャーです。

決裁者の有無をステージの移行条件にする書き方は、商談フェーズの移行条件で扱っています。 条件を画面で決める作りは、案件と規律の紹介で見られます。

よくある質問

キーパーソンと決裁者の違いは?
決裁者は、その金額について最後に承認し、否と言える人です。キーパーソンは影響の大きい人を広く指す言葉で、推進者や影響者を含むことがあります。記録では言葉のまま残さず、5つの役割に分けます。
決裁者に直接アプローチしてもよいですか?
推進者がいるなら、推進者の了承と同席で会うのが基本です。飛ばすと推進者の面子をつぶし、稟議を通す味方を失います。推進者がまだいない初期なら、決裁者が重く見る点を示して直接会う手もあります。
決裁者が誰かを、失礼なく聞くには?
人ではなく手続きを聞きます。「前回、同じくらいの金額のサービスを入れたとき、どなたの承認で、どの順に進みましたか」と尋ねます。前回の実例なら、相手の立場を問わずに承認の段が分かります。