ネクストアクションとは?営業の次の一手を「日付・相手・動詞」で書き、商談の最後で合意する方法
営業のネクストアクションは「日付・相手・動詞」の3点で書き、案件ごとに1つだけ置きます。この記事で、良い書き方の基準、商談の最後で次の一手を合意する言い方、期限切れの点検の型が分かります。
ネクストアクションとは:案件を進める次の一手を、日付・相手・動詞で書いたもの
営業のネクストアクションとは、案件を前に進めるために、次にいつ・誰と・何をするかを決めた1つの行動のことです。次回アクション、ネクストステップとも呼びます。
書き方は3点に固定します。日付、先方の相手、何をするかを表す動詞です。 終えると何が分かるかを一言添えると、さらに使いやすくなります。
ネクストアクション = 日付 + 相手(先方の誰か)+ 動詞(何をするか)
相手は先方の役割で書く。自社の作業だけの行は、ネクストアクションにしない3点のどれかが欠けると、その行は予定ではなく願望になります。 日付が無ければ期限切れを判定できず、相手が無ければ社内の作業と区別できません。 動詞が曖昧なら、終わったかどうかを誰も判定できません。
ネクストアクションは、営業パイプラインの1件ごとに置きます。 日々の行動を案件の前進に結びつける、いちばん小さな単位です。
タスクとの違いは、先方が関わるかどうか
資料づくりや社内の確認は、担当者のタスクです。終えても、先方の側では何も起きていません。 ネクストアクションは、先方の誰かが関わり、終えると案件の事実が1つ増える行動に限ります。
良いネクストアクションの条件:悪い例と良い例を3点で見分ける
良し悪しは、マネージャーが担当者に聞かずに「いつ、誰と、何をしたら完了か」を言えるかで判定します。言えなければ、その場で書き直します。
| 悪い例 | 欠けているもの | 良い例(日付は例) |
|---|---|---|
| フォローする | 日付・相手・動詞のすべて | 10/2 推進者に電話し、稟議に要る書類と提出日を聞く |
| 見積を送る | 相手と、送ったあとの一手 | 10/3 部長との打ち合わせで見積を説明し、予算枠に収まるかを聞く |
| 先方の検討待ち | こちらの動詞 | 10/7 推進者に電話し、検討の結論が出る日を確かめる |
| 提案書を作る | 先方の相手(社内の作業) | 10/9 決裁者への30分の説明で、導入の時期を合意する |
| 今月中に決裁者と会う | 日付(幅がある) | 10/6 推進者に、決裁者との面談の候補日を3つもらう |
1案件に1つだけ置く理由
予定が3つ並んでいると、1つ終えただけで「動いている」と言えてしまいます。 1つに限ると、期限を過ぎたかどうかが一意に決まり、担当者は案件がいちばん進む一手を選ぶことになります。 終えたらその場で次を置く運用なら、ネクストアクションの無い案件は「次が決まっていない」案件として見えます。
見積の作成や上長の確認など、並行する社内の作業は個人の予定で持ちます。
商談の最後の5分で、次の一手を先方と日付まで合意する
最も強いネクストアクションは、商談の最後に先方と日付まで合意した次の接点です。こちらが一人で決めた予定は、先方の都合で簡単に消えます。 合意した予定は、先方の予定表にも入っています。
日本の商談は「社内で検討します」で終わることがよくあります。 検討の中身は、多くの場合稟議や上長への説明です。 そこで、検討の段取りそのものを次の一手にします。
この先の段取りを聞く
「本日の内容を、社内ではどなたに、いつご説明される予定ですか」。決裁者が複数いるなら、次の場に誰が出るかも聞きます。予算が次の年度になりそうなら、予算編成の時期も聞きます。次の場に関われる形を申し出る
「その説明の場に、補足の資料か私の同席はお役に立ちますか」。推進者が一人で社内を説得する負担を減らす提案です。その場で日付を押さえる
「では◯日の週で30分、いまお時間をいただけますか」。「後ほど調整します」は合意ではありません。日付・相手・動詞を読み上げる
「◯日に部長と、稟議の書類を一緒に確かめる、でよろしいですか」。口に出して確かめ、その文のまま案件に書きます。
同じ考え方は、インサイドセールスの引き継ぎにも使えます。 商談の日を決めてから渡す運用はトスアップの引き継ぎ設計で扱っています。
よくある失敗:期限だけが動き、中身が進まない
ネクストアクションの失敗の多くは、書き方ではなく、置いたあとの扱いで起きます。表示の上では案件が動いているのに、先方との接点が増えていない状態です。
| 失敗 | なぜ起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 同じ中身のまま期限だけを動かす | 期限切れの表示を消すことが目的になる | 動かしたら理由を1行残す。同じ中身で2回動いたら週次の点検で扱う |
| 社内の作業を次の一手にする | 先方への連絡より、手元の作業のほうが進めやすい | 社内の作業は個人の予定で持ち、案件にはその先の先方との一手を書く |
| 終えても次を置かない | 完了で一区切りし、次を考える時間を取らない | 完了と次の設定を1つの動作にする。商談の直後に、その場で書く |
期限にも上限を置きます。例えば「今日から14日以内」と決めると、遠い日付で期限切れを先送りできなくなります。
マネージャーの問いを変える
「あの案件、どうなっていますか」と聞くと、答えは経緯の説明になります。 「次に先方の誰と、いつ、何をしますか」と聞けば、答えがそのままネクストアクションになります。 答えられなければ、その場で3点を一緒に決めます。
期限切れは週1回の点検で「実行・置き直し・区切る」に振り分ける
期限切れのネクストアクションは、週に1回、担当者とマネージャーで1件ずつ3つのどれかに振り分けます。毎日の確認は担当者自身が行い、週次の点検では残った期限切れだけを扱います。
- 実行:中身は正しく、やれていないだけ。今日か明日の日付に置き、その日に行います。
- 置き直し:先方の状況が変わった。中身から書き直し、日付・相手・動詞をそろえます。
- 区切る:先方と約束できる次の接点が無い。保留か失注を検討します。
区切るときの判断基準は滞留案件の見つけ方と動かし方で扱っています。 点検は週次の営業会議の冒頭に組み込むと、毎週の流れに乗ります。
例ある担当者の期限切れ4件を振り分ける
- A社「推進者に電話し、稟議の提出日を聞く」:中身は正しい。明日の日付に置いて実行。
- B社「見積を再送」:相手と動詞が弱い。「部長に電話し、予算枠と見積の差を聞く」に置き直し。
- C社「決裁者との面談日を決める」:推進者から返事が無いまま、決めた回数を超えた。保留を検討して区切る。
- D社「提案書を修正」:社内の作業。「部長に修正案を説明する」場を先方と決めて置き直し。
そのまま実行できたのは1件だけで、残る3件は先方との接点が弱い状態でした。
数値は説明のための架空のものです。
明日から始めること
- 書き方を「日付・相手・動詞」と決め、悪い例と良い例の表をチームに配る
- 進行中の全案件に、ネクストアクションが1つだけ入っているかを確かめる
- 「フォロー」「検討待ち」とだけ書かれた行を、今週中に書き直す
- 商談の最後に次の日付を合意する質問を、商談メモの型に入れる
- 週次の会議の最初に、期限切れを3つに振り分ける時間を取る