アポ率の上げ方:断られ方を記録で分け、最初の30秒・リスト・会う理由のどれを直すか決める
アポ率を上げるには、アポにならなかった会話を断られ方で分け、いちばん多い断られ方に効く1か所を直します。この記事の分類表と計算例で、最初の30秒の組み立てと、次に直す場所を決められます。
アポ率の上げ方とは:話せた会話を2段に分け、詰まっている段を直すこと
アポ率の上げ方とは、話せたのにアポにならなかった会話を断られ方で分け、いちばん多い断られ方に効く1か所を直すことです。アポ率は、担当者と話せた会話のうち、商談の日時が決まった割合です。 架電のうち話せた割合(接続率)とは分けて持ちます。
記録の結果で見ると、話せた会話の行き先は、断り・再アプローチ・資料送付・アポ獲得の4つしかありません。 アポ率を上げるとは、ほかの3つに流れていた会話をアポへ移すことです。 どこから移せるかは、会話がどこで止まったかで決まります。
アポ率 = 用件まで聞いてもらえた割合 × 聞いてもらえた会話のアポ率
用件まで聞いてもらえた会話 = 話せた − 用件を言う前に断られた会話1段目が低ければ、直すのは最初の30秒です。相手は用件を聞く前に、聞くかどうかを決めています。 2段目が低ければ、かける相手(リスト)、課題の仮説、会う理由(オファー)のどれかを直します。
2つの段は、次の節の分類に「用件の前の断り」を入れておけば、記録から分けて出せます。 聞いてもらえた割合は、(話せた − 用件の前の断り)÷ 話せた です。 全体のアポ率だけを見ていると、冒頭の問題と会う理由の問題の区別がつきません。
話せるまでの段、つまり不在と担当者不明の減らし方はテレアポの接続率を改善する方法で扱っています。 この記事は、話せたあとからアポになるまでを扱います。
断られ方の分け方:最初に出た断りを5つに分け、直す場所を決める
アポにならなかった会話は、相手が最初に口にした断りを5つから1つだけ選んで残し、件数の多い分類から直します。あとから出た理由は数えません。 2つ目以降は、最初の断りを通すために足された理由のことがあるからです。
| 断られ方 | 相手の言葉の例 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 用件の前の断り | 「今忙しい」「営業の電話はお断りしています」 | 冒頭(最初の30秒)。名乗りのすぐあとに、かけた理由を言う |
| 必要がない | 「うちは困っていない」「その仕組みは要らない」 | 業種や規模に偏っていればリスト。偏りが無ければ課題の仮説 |
| 今のやり方で足りている | 「別の仕組みを使っている」「今の業者で満足している」 | 会う理由。今のやり方と比べて、持ち帰れるものを示す |
| 資料で済ませたい | 「資料を送ってください」 | 会う理由。資料では分からないことを、会う理由として言う |
| 時期が合わない | 「今期は予算が無い」「繁忙期が終わってから」 | 直さない。次に話す日を相手の言葉で決め、再アプローチにする |
数えるのは、担当者本人か検討に関わる人との会話だけです。 担当違いの人に「分かりません」と言われた会話は、断りではなく担当者不明で残します。 断りに入れると分母の話せたが増え、アポ率が実力より低く出ます。
分類ごとの件数は、IS責任者が週に1回並べて見ます。 上位2つの差が数件のうちは順位を決めず、もう1週測ります。 1件の差で順位が入れ替わる数では、直す場所を決められないからです。
最初の30秒の組み立て:話せた200件の断られ方から、冒頭を組み直す例
最初の30秒は、名乗り・かけた理由・課題の仮説・質問の順に組み、用件を先に言います。組み直す前に、どの段で断られているかを数えます。
例話せた200件を分けて、直す場所を冒頭に決める
ISが3人のチームで、2週間の架電のうち話せたのが200件、アポが12件でした。アポ率は6%です。 アポにならなかった188件を、最初に出た断りで分けました。
- 用件の前の断り:76件
- 必要がない:40件(業種や規模に偏りは無い)
- 資料で済ませたい:34件
- 時期が合わない:26件
- 今のやり方で足りている:12件
用件まで聞いてもらえた会話は124件で、割合は62%です。そのうちアポは12件で、聞いてもらえた会話のアポ率は約9.7%です。 いちばん多いのは用件の前の断りなので、直すのは冒頭です。
仮に冒頭を直して、用件の前の断りが56件に減り、その先の約9.7%は変わらないとします。 聞いてもらえる会話は144件になり、アポは約14件、アポ率は約7%です。
数値は説明のための架空のものです。
- 名乗り:会社名と名前だけ。会社の紹介はしない。
- かけた理由:なぜこの会社に、なぜ今かけたのか。求人や拠点の開設など、相手に固有の事実を1つ添える。
- 課題の仮説:同じ業種や規模で起きやすいことを、断定せずに1つ言う。
- 質問:「ご興味はありますか」ではなく、相手が今の状況で答えられる問いにする。
用件の前に「今お時間よろしいですか」とだけ聞くと、相手は用件を知らないまま断れます。 時間を聞くなら、かけた理由を言ってからにします。書いたら声に出して読み、30秒に収まるかを測ります。
会う理由は、会わないと手に入らないものにする
「資料で済ませたい」と「今のやり方で足りている」が多いのは、会う理由が弱いサインです。 会う理由は製品の説明ではなく、資料では渡せず、相手が30分で持ち帰れるものにします。 例えば、相手の数字で試算した結果や、社内で決めるまでの進め方の整理です。
よくある失敗:「資料を送って」で会話を終える、など3つ
アポ率の改善は、トークの中身より先に、数え方と変え方で崩れます。よくある3つと、その直し方です。
| 失敗 | なぜ起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 「資料を送って」で会話を終える | 断られるより前向きに見え、記録もしやすい。ただ、資料送付はアポにならなかった会話で、商談は増えない | 送る前に、資料のどこを見てほしいかと、次に話す日を相手と決める。資料で済ませたいが多ければ、会う理由を直す |
| アポの基準を緩めて率を上げる | 率だけを目標にすると、日時の決まっていない「検討します」までアポに数える | アポは商談の日時が決まったものだけにし、実施率と商談化率を並べて見る |
| トークを一度に全部書き換える | どの変更が効いたのか分からず、下がったときに戻せない | 1回に1か所だけ変え、同じ種類のリストで前後2週間を比べる |
アポが増えても、商談にならなければ受注は増えません。 アポの基準はリードクオリフィケーションの条件とそろえ、質は商談化率で測ります。
明日から始めること:2週間は分けて数え、直すのは1か所から
最初の2週間は直さずに分けて数え、いちばん多い断られ方に効く1か所だけを、次の2週間で変えます。次の5つから始めます。
- アポは商談の日時が決まったものだけ、担当違いとの会話は担当者不明で記録すると決めた
- アポにならなかった会話に、最初に出た断りを5分類から1つ選んで残すと決めた
- 2週間ぶんを分類ごとに数え、用件まで聞いてもらえた割合と、その先のアポ率を分けて出した
- 最初の30秒を名乗り・かけた理由・仮説・質問の順に書き、声に出して30秒に収まるかを測った
- 変えるのは1か所だけにし、同じ種類のリストで前後2週間を比べる日を決めた
判定では、狙った分類が減ったかに加え、減った分がほかの分類へ移っただけでないかを確かめます。 用件の前の断りが減っても、同じだけ「必要がない」が増えたなら、アポ率は動きません。
アポ率が上がると、同じアポ目標に必要な架電は減ります。 何本減るかは必要架電数の計算ツールで確かめられます。 担当者ごとのアポ率を並べる画面は、行動量の紹介で見られます。