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ヨミ表の作り方:列の定義で出来が決まる。エクセルでも崩れない設計と週次の締め方

ヨミ表の作り方は、1行1案件に事実の列をそろえ、確度と区分を手で入れずに式で出すことに尽きます。この記事の列の定義表と週次の締め方を使えば、エクセルでも人によって揺れない着地見込みを出せます。

RevenueScale 編集部公開 6分で読めます

ヨミ表とは:作り方の土台は「1行1案件」と3枚のシート

ヨミ表とは、商談の始まった案件を1行に1件ずつ並べ、金額・想定クローズ日・ヨミの区分を同じ定義でそろえた表のことです。今期の着地見込みを出すために使い、エクセルやスプレッドシートでも作れます。

区分はコミット・ベストケース・パイプライン・対象外の4つを使います。 着地見込みは、次の下限を基本に報告します。

着地見込みの下限 = 受注済み + 今期のコミット

ベストケースまで足した数字は、上振れの幅として添える

1枚のシートに全部を載せると、過去の記録と今の状態が混ざって崩れます。役割の違う3枚に分けて始めます。

  • 案件:今の状態。1行1案件で、担当者が毎週更新する。
  • 記録:毎週の締めの時点の写し。追記だけで、過去の行は直さない。
  • 定義:ステージ・区分・選択肢とその意味。管理者だけが直し、直した日を残す。

載せない行と、置かない列

アプローチ中の企業は載せず、営業リストで追います。 受注・失注した行は消さずに、ステージで閉じます。消すと、受注済みと予測を同じ表で足せなくなるからです。

  • 担当者が手で入れる確度(%):同じ状態の案件が、人の気質で違う数字になる。確度はステージから引き、加重金額も式で出す。
  • 月ごとの金額を横に並べた列:日付がずれるたびに手で移し、移し忘れると二重に数える。計上期は想定クローズ日から式で出す。
  • セルの色だけで表すヨミ:並べ替えも集計もできない。色は区分の列から条件付き書式で付ける。

ヨミ表の列の定義表:担当者が入れる列と、式で出す列を分ける

担当者が入れる列は選択肢・日付・整数だけにし、確度や区分のような判断の列はすべて式で出します。自由に書ける文は、次のアクションの1列だけです。 表の「列」は、そのままテンプレートの見出しに使えます。

ヨミ表(案件のシート)の列の定義
列入れ方入れる人
案件ID・会社名・案件名・担当者・ステージIDは重複しない番号で、一度付けたら変えない。担当者とステージは選択肢から選ぶ担当者
金額(税抜・円)・想定クローズ日金額は整数だけ。日付は日付の形で、先方の手続きから逆算した日担当者
決裁者・予算・手続き・日付の根拠4列に分け、それぞれ3段の選択肢から選ぶ。空欄は最も弱い段とみなす担当者
計上期・確度・加重金額・既定の区分想定クローズ日・ステージ・事実の4列から式で出し、列を保護する式
次のアクション・その日付・確認日「誰と何をするか」を動詞で終わる1文で。日付は空欄にしない担当者

区分は「いちばん弱い事実」で式が決める

事実の4列の段を、定義のシートで3・2・1の数字に引き当てます。 段は足さずに、いちばん低い段を区分にします。

既定の区分 = 事実の4列の段のうち、いちばん低いもの

3ならコミット、2ならベストケース、1ならパイプライン。失注・保留は対象外

足さない理由と段ごとの水準の文例は、フォーキャストカテゴリの決め方にあります。 担当者が既定と違う区分にしたいときは「申告の区分」の列に入れ、理由の選択肢を必須にします。 集計には、申告があれば申告、無ければ既定を使います。

週次の締め方:締めの日の値で記録し、放置の行をコミットから外す

週に1回締めの時刻を決め、その時点の値を記録のシートへ追記し、会議はその数字で話します。例えば月曜の朝に会議をするなら、締めは金曜の17時です。 会議の直前にしないのは、直前の更新が目標との差を意識した「上げ」になりやすいからです。

記録へは「値のみ貼り付け」で写します。式のまま写すと、案件のシートを直した瞬間に過去の記録も一緒に変わります。 放置の判定も式で出し、比べる相手は TODAY 関数ではなく締めの日を入れたセルにします。 TODAY は開くたびに計算し直すので、金曜に締めた表を月曜に開くと判定が3日進みます。

  • 日付切れ:想定クローズ日が締めの日より前。今期の予測から外し、別枠で数える。
  • 次の手なし:次のアクションの日付が空欄か、締めの日より前。会議で担当者に確かめる。
  • 未確認:確認日が締めの日より14日以上前(日数は例)。コミットから外し、ベストケースで数える。

例放置の判定を入れると、着地見込みの下限が変わる

四半期の目標が5,000万円、受注済みが2,000万円のチームで、判定の列を足したとします。

  • コミット:3,200万円 → 2,200万円(日付切れ2件の400万円を別枠へ、未確認1件の600万円をベストケースへ)
  • ベストケース:2,800万円 → 2,500万円(日付切れ3件の900万円を別枠へ、未確認の600万円が加わる)
  • 別枠(日付切れ5件):1,300万円

下限は5,200万円から4,200万円になり、目標に届いて見えていた数字が800万円の不足に変わります。 会議で決めるのは、日付切れのコミット2件の日付を先方の手続きから引き直すことと、未確認の1件の事実を確かめることです。 両方が戻れば下限は5,200万円に戻り、戻らなければその差が本当の不足です。

数値は説明のための架空のものです。

エクセルのヨミ表でよくある3つの失敗と、その直し方

エクセルのヨミ表が崩れる原因は、表計算が「今の値を書き換える道具」であることに行き着きます。よくある3つを、起きる理由と直し方で並べます。

ヨミ表のよくある失敗と直し方
失敗なぜ起きるか直し方
先週から減った理由を、誰も説明できないセルを書き換えると前の値が消える。会社名で突き合わせると、表記を直しただけで別の案件に化ける締めごとに記録のシートへ値で追記し、案件IDで先週の行と突き合わせる
着地会議の前に、区分が一斉に上がるプルダウンで区分を選ばせると、選ぶ行為に自信の強さが入り込む既定の区分は事実の列から式で出し、申告には理由を必須にする。申告の数と向きを担当者ごとに毎週数える
合計が、見えている行の金額より小さい金額に「約500万」と書くと、SUM は文字を無視し、エラーも出さずに合計から落とす金額の列は入力規則で整数だけを許す。幅があるなら先方が了承した額、無ければ低いほうを入れる

先週との差を新規・増額・減額・後ろ倒し・受注・失注・その他の動きに分ける順番と、金額の出し方は着地見込みの変化分析で扱っています。 分類の順番を決めずに式を書くと、受注した案件が減額に数えられます。

明日から始めること:今のヨミ表を止めずに作り直す5項目

今のヨミ表は捨てずに、案件IDを振るところから作り直します。次の5項目を上から済ませれば、週次の会議を止めずに移れます。

  • 全行に、一度付けたら変えない案件IDを振った
  • 案件・記録・定義の3枚にシートを分け、合計は別の集計のシートで出している
  • 金額は整数、日付は日付の形だけを入力規則で許し、式の列を保護した
  • 既定の区分の式が、空欄を最も弱い段として扱うことを確かめた
  • 締めの時刻と、記録のシートへ値で追記する担当を決めた

記録の写しが抜ける週がある。先週からの変化の説明を、会議の前に手で作っている。 この2つが2〜3週続いたら、表計算で人が見られる量を超えた合図です。

SFAへ移るときは、列の定義表がそのまま設計書になります。 進め方はSFA導入の手順と進め方を参照してください。

よくある質問

ヨミ表のテンプレートには、最低限どの列が要りますか?
案件ID・会社名・案件名・担当者・ステージ・金額(税抜)・想定クローズ日・区分・次のアクションとその日付・確認日です。区分を事実で決めるなら、決裁者・予算・手続き・日付の根拠の4列を足します。確度と計上期は式で出します。
ヨミ表はエクセルとスプレッドシートのどちらで作るべきですか?
どちらでも作れます。入力規則のプルダウン、範囲の保護、値のみ貼り付けはどちらにもあります。決め手は、全員が同じ1つのファイルを共同で編集できるかです。複製が増える置き方では、どれが正の数字か分からなくなります。
Aヨミ・Bヨミの確度は、何%にすればよいですか?
ヨミのランクに%は持たせず、確度はステージに持たせます。1件について「8割」と言っても、外れたときに見立ての良し悪しを検証できないからです。ステージの確度は、自社でそのステージから受注に至った割合の実績を見て置きます。